劇団花吹雪 小春かおり・讃

芝居『残菊物語』、2019年7月24日、浪速クラブ おそらく今回の上演意図は身分違いの恋物語を通して男の芸の成長と成功を陰で支える健気な女の姿を浮き彫りにすることだと思われる。日本的感性では幕が女の死で閉じられることで物語は女を描く哀歌というか挽…

笑いの喚起力で京都茂山狂言は東京勢(マンサイ様)に負けません!

西宮能楽堂主催公演「笑いの原点」 2019年05月11日(土) 西宮能楽堂(阪神電車鳴尾駅南) 演目: ■「解説・狂言ワークショップ」 島田洋海 ■狂言「昆布売」 演者:茂山あきら、松本薫 後見:増田浩紀 ■狂言「察化」 演者:茂山千三郎、丸石やすし、島田洋海 …

劇団あやめの工夫:舞台と観客の距離を縮める

大衆演劇の「お花(祝儀)」 2019年5月、元号も改まって劇団あやめ公演初日。 先月九条笑楽座での千穐楽が大いに盛り上がったので尼崎三和劇場に公演場所をあらためても大入りだろうと予想。実際人気は衰えなかったどころか満席だった。 劇団一小柄な劇団マ…

座長姫猿之助「劇団あやめ」ー 客を楽しませることに徹するという大衆演劇の本筋をわきまえている

<大衆演劇のはるかな祖先の息吹を感じさせる> 2019年4月 劇団あやめ大阪公演(九条笑楽座) 昨年6月大阪は庄内天満座で観劇して以来ほぼ1年ぶりだ。あの時は座長(あやめ猿之助改め)姫猿之助に私が勝手な期待をかけて批判的なブログ内容になってしまった…

ロイヤル・オペラ・ハウス2019年1月公演『スペードの女王』映画版、見応えあったけど、世間の評判悪い?

プーシキンの原作(といっても私の場合日本語訳)も読んだことないし、チャイコフスキーがオペラ化 —— La Dame de Pique(日本語タイトルに同じ)——したのも見たことない。今回シネマ録画でこの作品に初めて接した。でも感動した。私だけかな? 今回と同様の…

命を愛でる狂言『靱猿」の世界にちなんで

猿の皮を狩猟にいつも携帯する靭(矢筒)に飾りとして貼り付けるため猿引に向かって猿を「貸せ」と意味不明なことを言い出す大名。小猿の頃からわが子同様に愛情を込めて育て芸を仕込んだ猿を(生き皮を剥がれて)むざむざ殺されてはたまらないと猿引は必死…

2019年1月新春 能と狂言 —— 蘇りの時節

<大槻能楽堂 自主公演能 新春公演> 大槻能楽堂(大阪市)、1月3日 ★「翁」片山九郎右衛門(翁、白式尉) 茂山千三郎(三番三[大蔵流の表記]、黒式尉) 片山峻佑(千歳) 鈴木実(面箱持ち) 笛 竹市学 小鼓 大倉源次郎 吉阪一郎 大倉伶士郎 大鼓 山本哲也 …

能楽「高安流ワキ方」の魅力

「ECO ろうそく能 」なにわ文化芸術芸能推進協議会10周年記念特別公演 山中能楽堂(大阪市阿倍野区阪南町)にて。 <演目> 1.トーク「高安流の芸」 2.仕舞 「和布刈(めかり)」岡 充、 「春栄(しゅんねい)」有松遼 一、「大蛇(おろち)キリ」小林 …

劇団暁『研辰の討たれ』に見る若座長の気概

2018年12月10日(昼)浅草木馬館 久しぶりに「劇団暁」観劇。若座長三咲暁人の意欲が感じられる歌舞伎演目の上演。しかも見て楽しい『研辰の討たれ』に出くわす幸運な日だった。この作品は比較的最近(劇場空間で言葉を弾けとばせる才能にあふれた演劇人)野…

(現代)狂言に今も息づく「世阿弥以前の猿楽」のエネルギー

金剛能楽堂 <茂山狂言 笑いの収穫祭2018> ~古典・昭和・平成 各時代の選りすぐり三本立~ ・狂言「素袍落」茂山千作、茂山七五三、茂山あきら ・狂言「宗旦狐」茂山 茂、茂山千五郎 ・新作狂言「かけとり」茂山逸平、茂山宗彦、茂山童司 ◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊ …

2018年11月文楽公演(大阪)は女性演者が登場かと勘違いした慌て者の私

第1部 午前11時開演 蘆屋道満大内鑑 (あしやどうまんおおうちかがみ) 葛の葉子別れの段 信田森二人奴の段 桂川連理柵 (かつらがわれんりのしがらみ) 六角堂の段 帯屋の段 道行朧の桂川 第2部 午後4時開演 鶊山姫捨松 (ひばりやまひめすてのまつ) 中将…

狂言と伝統舞踊は相性がいい!

「逸青会」10周年記念特別公演 長唄『汐汲』尾上菊之丞 狂言『御茶の水』茂山逸平 『煎物』藤間勘十郎・尾上菊之丞・茂山逸平 『鏡の松』尾上菊之丞・茂山逸平 狂言師茂山逸平さんと(日舞)尾上流四世家元菊之丞さんがタッグを組んで10年。「逸青会」に青の…

ライフスタイルの新しい選択肢

とかく良識ある「オトナ」の意見がまかり通る傾向が強かった「戦後日本社会」もインターネットが普及してきたおかげで若い世代の言い分が人目に触れるようになってきたことは好ましいことだ。 過去30年ほどを振り返るとインターネット経由の情報発信が急増し…

能楽堂で眠気とワクワク感を同時に味わうことの楽しさ

2018年10月28日『金剛定期能』(京都金剛能楽堂) 事情があって9月から能狂言から遠ざかっていたが、今月10月は19日に大槻能楽堂で見た『忠三郎狂言会(茂山良倫初舞台公演)』に続き、2回目の能楽堂公演だ。能楽堂独特の雰囲気は気分を落ち着かせてくれる…

芝居が売りの劇団荒城の危機(2018年10月)

今年1月篠原演芸場で見て以来ほぼ1年ぶりの劇団荒城だから期待していた。なのに若手中心の芝居が生煮え状態。 久しぶりに浅草にもどってくる荒城の大入り祈願の思いを込めて豪華な花飾りを届けてくれた宇梶剛士さんの期待に応えているとは言い難いのが残念。…

Is "Myth and Reality: A Story of 'Kabuki' during American Censorship, 1945-1949" the declaration of kabuki's death?

James Rodger Brandon (1927-2015), the late great scholar of kabuki theater, challenged the persistent myth that Faubion Bowers, one of the American theater censors during the military occupation of Japan following Japan's defeat in the WWI…

ハラスメント問題でパリ・オペラ座が紛糾している

全ての管理責任を負わねばならない芸術監督Aurélie Dupontさんも大変だな。 2017年3月の東京公演で『ダフニスとクロエ』を見て彼女の踊りを堪能した。ダンサーとしてピークを過ぎているとはいえ(バレエ鑑賞歴の浅い私には)楽しめた。 Dance Magazine誌最新…

『ボリショイ ー 二人のスワン』主要な出演者紹介

◆ Yulya Olshanskaya 役 Margarita Simonova was born on December 23, 1988 in Lithuanian SSR, USSR. Principal dancer of Warsaw's Grand Theatre The role of Yulya-teenager was performed by the Moscow gymnast Katya Samuylina. ◆ Karina Kurnikova …

『ボリショイ --- 二人のスワン』、出演者の表現力半端じゃない!

Большо́й [Bolshoy] (『ボリショイバレエー 二人のスワン』2017年) バレエ、体操、演技。ロシアの芸術的伝統おそるべし(敬意を表すしかない)。 (文中添付画像は全て無断で使わせていただきました。) 監督 Valery Todorovsky Born in1962 in Odessa, Ukra…

劇団あやめは今後の成長に期待(大阪、2018年6月)

十年あまり前当時住んでいた静岡県浜松市。ひょんなきっかけから市内にある一種のスーパー銭湯「バーデン・バーデン」(数年前に建物老朽化のため廃業)で大衆演劇の舞台に接するようになった。それまで大衆演劇(旅回り芝居)なんてはるかに遠い存在だった…

茂山逸平さんが演じた「釣狐」、元気がありすぎたのでは?

大槻能楽堂改修35周年記念ナイトシアター 2018年5月11日(午後6時30分—9時15分) 狂言「釣狐」茂山逸平、善竹隆平 笛 斉藤敦、小鼓 成田奏、大鼓 原田一之 能「隅田川」大槻文藏、福王茂十郎 笛 杉 市和、小鼓 成田達志、大鼓 亀井忠雄 地頭 梅若実 ======…

『シェイプ・オブ・ウォーター』はやっぱり<ポリコレ>根性満載?

つい先日Guillermo del Toro監督の新作The Shape of Water (2017年)を見てきた。時流に遅れがちな私には未知の映画監督だったが、世界的評価の高い作品なので興味が湧いた。 この監督はすでに日本のファンタジー映画ファンには有名らしくすでに『ブレイド2 […

烏丸遊也たちにもっと公演の機会を!

大衆演劇であれなんであれ芸能の「伝統」は排他的に維持するものじゃないはず。 「伝統」は生きている。廃れもするし、新しくよみがえる場合だってある。 大衆演劇の劇団という組織のあり方も新たな方向性を模索すべきではないか。 そうでなくとも大衆演劇界…

『スリー・ビルボード 』と異色のアメリカ人作家フラナリー・オコーナーはホントに通じ合うのか?

難病(自己免疫性疾患「全身性エリテマトーデス」、彼女の父親も13歳の彼女を残して同じ疾患で死去)のため39歳で早逝したフラナリー・オコーナー (Flannery O’Connor, 1925-1964) は現代アメリカ文学の重要な作家の一人。 <作家紹介>https://www.georgiae…

早春の丹波篠山で能・狂言を楽しむ

第45回 篠山能 平成30(2018)年4月14日(土曜) 13時開演 重要文化財 春日神社能舞台 (兵庫県篠山市) 前売り一般 5,000円(当日5,500円) 演目・出演: 能 「半蔀(はしとみ)」 梅若 万三郎 狂言「寝音曲(ねおんぎょく)」 茂山 あきら 能 「鉄輪(かなわ)…

2018年春、パリ・オペラ座バスティーユに再度新風を吹き込むミルピエ

去る3月下旬(2018年)生まれて初めてパリ・オペラ座を訪れた。バレエとオペラに関してはまだ初心者のファンだが、第一の目的はバンジャマン・ミルピエ(Benjamin Millpied1977年生まれ)が振付を担当した舞台を観るためだ。迂闊にも知らなかったが、日本で…

Three Billboards outside Ebbing, Missouri (2017) はただの推理ものではない。

この映画の真価はGolden GlobeやらOscarにノミネートされたり受賞するかどうかという問題とは無関係である。 人間失格というべき男に娘をレープされた上殺され、警察は警察で真犯人をあげる能力も意欲もない。映画を観るまで、いやスクリーンに展開する物語…

パリで見たハイテク活用の人形劇

2018年3月下旬パリに1週間滞在。 ホテルの近所にあるカフェで朝食をとっていて店のそばにある人形劇場の看板が窓越しに見えた。興味が湧いて劇場をのぞいて見たが、公演時間帯でないので扉が閉まったまま。 そこでネット検索したところ通例の人形劇ではなく…

大衆演劇界ではおそらく日本一の人気劇団「都若丸劇団」を久しぶりに観劇

2018年3月、大阪は羅い舞座 京橋劇場。 久しぶりの若丸劇団、その人気は衰えていない。千秋楽前日の29日大入り4枚。今月の観客動員数1万五千だと豪語するのも当然か。 劇団の(かつての)芸達者ぶりは認める。でも個人的にはそこそこの出来具合のTVお笑い…

(短期、長期にかかわらず)パリ滞在者にとってコスパの高い公共交通乗り放題パ定期券

2018年3月下旬の1週間にわたる今度の旅行はパリ・オペラ座(Palais GarnierとOpéra Bastille)でバレエとオペラを見るのが目的だった。滞在中市内を経済的かつ楽に移動したいとピタパやスイカみたいのものがないかとネット検索して「パリヴィジット」に行き…