茂山逸平さんが演じた「釣狐」、元気がありすぎたのでは?

大槻能楽堂改修35周年記念ナイトシアター 2018年5月11日(午後6時30分—9時15分) 狂言「釣狐」茂山逸平、善竹隆平 笛 斉藤敦、小鼓 成田奏、大鼓 原田一之 能「隅田川」大槻文藏、福王茂十郎 笛 杉 市和、小鼓 成田達志、大鼓 亀井忠雄 地頭 梅若実 ======…

『シェイプ・オブ・ウォーター』はやっぱり<ポリコレ>根性満載?

つい先日Guillermo del Toro監督の新作The Shape of Water (2017年)を見てきた。時流に遅れがちな私には未知の映画監督だったが、世界的評価の高い作品なので興味が湧いた。 この監督はすでに日本のファンタジー映画ファンには有名らしくすでに『ブレイド2 […

烏丸遊也たちにもっと公演の機会を!

大衆演劇であれなんであれ芸能の「伝統」は排他的に維持するものじゃないはず。 「伝統」は生きている。廃れもするし、新しくよみがえる場合だってある。 大衆演劇の劇団という組織のあり方も新たな方向性を模索すべきではないか。 そうでなくとも大衆演劇界…

『スリー・ビルボード 』と異色のアメリカ人作家フラナリー・オコーナーはホントに通じ合うのか?

難病(自己免疫性疾患「全身性エリテマトーデス」、彼女の父親も13歳の彼女を残して同じ疾患で死去)のため39歳で早逝したフラナリー・オコーナー (Flannery O’Connor, 1925-1964) は現代アメリカ文学の重要な作家の一人。 <作家紹介>https://www.georgiae…

早春の丹波篠山で能・狂言を楽しむ

第45回 篠山能 平成30(2018)年4月14日(土曜) 13時開演 重要文化財 春日神社能舞台 (兵庫県篠山市) 前売り一般 5,000円(当日5,500円) 演目・出演: 能 「半蔀(はしとみ)」 梅若 万三郎 狂言「寝音曲(ねおんぎょく)」 茂山 あきら 能 「鉄輪(かなわ)…

2018年春、パリ・オペラ座バスティーユに再度新風を吹き込むミルピエ

去る3月下旬(2018年)生まれて初めてパリ・オペラ座を訪れた。バレエとオペラに関してはまだ初心者のファンだが、第一の目的はバンジャマン・ミルピエ(Benjamin Millpied1977年生まれ)が振付を担当した舞台を観るためだ。迂闊にも知らなかったが、日本で…

Three Billboards outside Ebbing, Missouri (2017) はただの推理ものではない。

この映画の真価はGolden GlobeやらOscarにノミネートされたり受賞するかどうかという問題とは無関係である。 人間失格というべき男に娘をレープされた上殺され、警察は警察で真犯人をあげる能力も意欲もない。映画を観るまで、いやスクリーンに展開する物語…

パリで見たハイテク活用の人形劇

2018年3月下旬パリに1週間滞在。 ホテルの近所にあるカフェで朝食をとっていて店のそばにある人形劇場の看板が窓越しに見えた。興味が湧いて劇場をのぞいて見たが、公演時間帯でないので扉が閉まったまま。 そこでネット検索したところ通例の人形劇ではなく…

大衆演劇界ではおそらく日本一の人気劇団「都若丸劇団」を久しぶりに観劇

2018年3月、大阪は羅い舞座 京橋劇場。 久しぶりの若丸劇団、その人気は衰えていない。千秋楽前日の29日大入り4枚。今月の観客動員数1万五千だと豪語するのも当然か。 劇団の(かつての)芸達者ぶりは認める。でも個人的にはそこそこの出来具合のTVお笑い…

(短期、長期にかかわらず)パリ滞在者にとってコスパの高い公共交通乗り放題パ定期券

2018年3月下旬の1週間にわたる今度の旅行はパリ・オペラ座(Palais GarnierとOpéra Bastille)でバレエとオペラを見るのが目的だった。滞在中市内を経済的かつ楽に移動したいとピタパやスイカみたいのものがないかとネット検索して「パリヴィジット」に行き…

神戸能楽界

今年の正月に夙川にある能楽堂「瓦照苑」(上田同門会所属)を初めて訪問し、舞初めを観劇。自宅から30分あまりの距離なのでこれからしょっちゅう訪れたいと思っていた。 最近この能楽堂と縁つづきの能楽師を薬剤師の資格がらみで(下品に)非難するツイッタ…

神戸能楽界

今年の正月に夙川にある能楽堂「瓦照苑」(上田同門会所属)を初めて訪問し、舞初めを観劇。自宅から30分あまりの距離なのでこれからしょっちゅう訪れたいと思っていた。 最近この能楽堂と縁つづきの能楽師を(下品に)非難するツイッターを見てしまって複雑…

夙川瓦照苑で <異界>体験

照の会シリーズ「舞囃子の会」 夙川能舞台 瓦照苑 平成30年2月17日(土)午後2時、2千円 ・舞囃子「養老」上田顕崇 ・舞囃子「采女」上田拓司 ・舞囃子「歌占」笠田祐樹 ・舞囃子「葛城」上田宜照 囃子方を含む全出演者の詳細はhttp://www.kanshou.com/kouen…

笑いのきっかけのない狂言は辛い

2018/02/03(土)14時開演【公演名】春秋座 能と狂言 京都造形芸術大学内京都芸術劇場 春秋座 ・プレトーク: 片山九郎右衛門、松岡心平、渡邉守章. ・狂言「清水座頭」野村万作、野村萬斎. ・能「三輪〜白式神神楽〜」 観世銕之丞(シテ) 森常好(ワキ)、…

長谷川伸の名作『瞼の母』、恋川劇団による泣かせる芝居

「桐龍座(きりゅうざ)恋川劇団」 鈴川真子誕生日公演 2018年1月22日、新開地劇場 純座長(番場の忠太郎)と鈴川真子(生母だが、現在は料亭「水熊」の女将おはま)さんの親子共演 —————————————— 座長の母に対するオマージュの思いが込められた演出。母と…

玉三郎の完璧さと壱太郎の初々しい輝き

2018年1月松竹座『坂東玉三郎 初春特別舞踊公演』 「口上」 坂東玉三郎・中村壱太郎 「元禄花見踊」 坂東玉三郎・中村壱太郎 「秋の色種(あきのいろくさ)」坂東玉三郎・中村壱太郎 「鷺娘」 中村壱太郎 「傾城(けいせい)」坂東玉三郎 —————— (素人判断…

『新世紀、パリ・オペラ座』 ー 視点がユニークなドキュメンタリー映画

原題L’Opera、2017年公開、Jean-Stéphane Bron監督作品 芸術家のみに焦点を当てる平面的、一元的芸術至上主義を排して芸術の創造をいわば(昆虫のもつ)複眼を思わせる視点でとらえていて斬新であり説得力もある。 ドキュメンタリー映画において芸術家に焦点…

茂山七五三さん七十の賀(古希)お祝い公演で痛快かつ柔和な笑いを堪能

演目 •『佐渡狐』:茂山七五三(佐渡お百姓)、茂山あきら(越後のお百姓)、茂山千作(奏者)、井口竜也(後見) •「わかぎ ゑふによる七五三さんインタビュー」 •『居杭』:茂山七五三(陰陽師)、茂山慶和(居杭)、茂山宗彦(何某)、山下守之(後見) •…

梅若玄祥(シテ) 新作能『紅天女』、能とタカラヅカは反りが合わない!

2017年12月25日、京都観世会館にて。 客席に能楽ファンがいない。それも当然か。両隣にいた観客はまともな能学ファンなのかプレ・トークの間ずっと寝ていた。 揚幕から出てきた発声不良女優さんのセリフにはドン引きしかなかった。ええッ<自然と人間の共生…

『瞼の母』と『鶴八鶴次郎』〜 決断の時

2017年12月の芝居2本 *歌舞伎座十二月大歌舞伎第三部『瞼の母』(市川中車・坂東玉三郎 主演) 長谷川伸 (1884-1963年) 原作 (1930年) *浅草木馬館『鶴八鶴次郎』(12月4日、劇団 曉、三咲夏樹・三咲春樹兄弟座長主演) 川口松太郎 (1899-1985年) 原作 (1…

近松「文楽」—— 特異な心中物

2017年11月国立文楽劇場(大阪) 『鑓の権三重帷子』(やりのごんざかさねかたびら) 『心中宵庚申』(しんじゅうよいごうしん) ————————————————— 近松門左衛門の心中物といえば『曽根崎心中』や『心中天の網島』など10編以上ある。ほとんどの場合、遊女と…

森川劇団 「かっこよさ」が薄らいでる?

劇団(というより座長?)のプライドと思いが観客の期待と噛み合わないのではないかと思う。 プレゼントをあれこれ繰り出して客寄せをするのは見当違いのような気がする。プレゼントにつられてくるお客さんは心底劇団を応援してくれないだろう。 それから、…

森川劇団の自信作『お富与三郎 蝙蝠安』は残念ながら<ミスキャスチング>!

2017年11月23日、浪速クラブ(大阪、新世界) この題材は劇団花吹雪の代表作のひとつ『おとめ(乙女)与三郎』でも使われている。爆笑劇だが、本来は一見移り気な芸者・女郎の隠れた真心を浮かび上がらせる芝居だ。 さて今回のキャスティング。まだ中学生の…

森川劇団は<宝の持ち腐れ>に気づいて!

<一代新之助>は芝居も舞踊も絶品芸人だ。 2017年11月23日、浪速クラブ(大阪、新世界) 女型舞踊 「鳥取砂丘」と「都忘れ」というしみじみとした曲で絶品の踊りを見せてくれた新之助。 立役の踊りで見た「無法松」や「俵星玄蕃」もたまらなくいいけれど、…

美術品は展示されるコンテクスト(環境)が異なると別物に見える?

兵庫県立美術館『大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち』 2017年10月3日[火]~2018年1月14日[日] ひと月前サンクト・ペテルブルグに出かけたおり本家では見られなかった展示絵画を近場で見ようと兵庫県立美術館へ。 阪急王子公…

ロシア(サンクトペテルブルク)バレエはキレがいい

10月下旬サンクト・ペテルブルグ(旧レニングラード)に8泊、マリインスキー劇場とミハイロフスキー劇場でバレエ6本とオペラ1本を観劇。 マリインスキー (去る10月の演目は劇場の英語版HPに詳しいhttps://www.mariinsky-theatre.com/playbill/search/10-…

セルゲイ・ポルーニン ー 後日談と現在

前回、英国ロイヤル・バレエ団を突如辞したポルーニンがモスクワやノボシビルスクを拠点に活動と書いた。このロシアでの活動期間は長くは続かず、結局ロンドンへ戻ったらしい。独自に企画した公演を実践する一方でロイヤル・バレエ団とも共演してもいるそう…

人と神の狭間で —— 鬼才のバレエダンサー、セルゲイ・ポルーニン

ドキュメンタリー 映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(2016年) 原題はDancer、監督はアメリカ人Steven Cantor。 芸術的伝統と教師に対する絶対的服従・規律が不文律のバレエ界にあって反逆児・問題児(bad boy)とよばれてきたポル…

片山九郎右衛門は芸も人柄もすばらしい

「観世流能楽師シテ方片山九郎右衛門さんの 能はゆかしい おもしろい」 2017年10月4日、高槻現代劇場(大阪府高槻市)午後2時—4時 前半は楽屋ウラ話っぽい、気楽に聞ける談話。それでいながら能という芸術の真髄にふれていて傾聴にあたいした。 まだ二十代の…

梅若玄祥に魅せられて

9/30(土)13:00(開場 12:00) 京都 秋の梅若能 場所:京都観世会館 仕舞 通小町:河本望 地頭…会田昇 能『竹生島 女体』:梅若玄祥、井上貴美子、角当直隆、福王知登、喜多雅人、是川正彦、茂山千五郎、杉市和、曽和鼓堂、河村大、前川光長 地謡…角当行…