笑いの喚起力で京都茂山狂言は東京勢(マンサイ様)に負けません!

西宮能楽堂主催公演「笑いの原点」

2019年05月11日(土) 西宮能楽堂(阪神電車鳴尾駅南)

演目:

■「解説・狂言ワークショップ」 島田洋海

狂言「昆布売」 演者:茂山あきら、松本薫  

後見:増田浩紀

狂言「察化」 演者:茂山千三郎、丸石やすし、島田洋海  

後見:増田浩紀

=======

茂山狂言のお弟子さんたちが活躍する舞台を見たいという願いがようやくかなった。 毎年数回京都府立文化芸術会館で若手お弟子さんの独自公演があるのだけど公演時間とかアクセスのことがあってまだ一度も感激せず仕舞い。

 

島田洋海さんは狂言技も優れているし、トークもおもしろい。話の展開が滑らかだ。また聞きたい。京都府立文化芸術会館に行くしかないな。

 

今日の公演は2本とも茂山あきらさんと茂山千三郎さんというベテランが出ていて舞台を盛り上げたが、今回印象づけられたのは(多分)先代(四世)千作さん(1919-2013年)のお弟子さんだったと思われる松本薫さん、丸石やすしさんそして島田洋海さんの の芸の達成度が狂言師代々の家の面々に引けを取らないと気づいた。これは何も本家をないがしろにしているわけではない。そう感じさせるほど狂言師としての存在感が強かったのである。

 

とりわけ丸石やすしさんのの詐欺師(室町時代の呼称は<察化>とか<すっぱ>)ぶりは人のよさとずる賢さが絶妙に混じり合っていて見るものを楽しませる。

 

ちなみに2017年5月に姫路城薪能では五世千作さん演じる察化を見たが、細かい演技がお得意な千作さんのずる賢さ、人の悪さを表現する芸にも感心させられた。丸石さんも千作さんもそれぞれの持ち味を生かした人物造形がお見事だ。

 

最後に是非とも言いたいのは増田浩紀さんは後見として出演されたので声と動きのある舞台姿を見れずにいて大変残念だった。次の機会に期待しよう。