2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧
大衆演劇界を過去2年ほど前から現在まで見渡すと自滅の兆候を示す劇団がちらほら現れている。暴力事件で刑事処分を受けた幹部座員のいる劇団もあった。また最近は自分の不甲斐なさから近しい家族の愚行をたしなめもしない座長がいて、なんの責任もない座員…
この小説(原書Bantam Press、2007年、嶋田洋一・翻訳『極北の恐怖』、早川書房、2007年)は<北極残酷物語>とよびたい気がする。下地になっているのは北極探検史上有名な大規模遭難事故である。ただし作中で語られる探検隊員や乗組員たちの言動や思考はす…
『国性爺合戦』は数年前の観劇時にストーリーの複雑さについてゆけず楽しめなかったという苦い思い出がある。今回はその反省と眠り込みを防ぐためにイヤホン・ガイドを利用した。その甲斐あってか、特に後半2時間におよぶ長丁場も緊張感をなくさず堪能でき…
ストーリーは初代 桂文枝の上方落語がもとになっている。この噺家の生没年(1819年ー1874年)からすると江戸時代末期にはネタができあがっていたんだろうか。外題『らくだ』が妙ちきりんではないか。すでにその頃には動物のラクダの見せ物が大きな評判よんで…
最近片岡愛之助は芸能ニュースでもてはやされているが、本職の歌舞伎役者としてまたテレビ界でも大活躍をつづけている。そればかりでなく歌舞伎の新境地を拓く点でも注目を集める。主な演劇的実験の場は(徳島県鳴門市にある)大塚国際美術館システィーナ歌…
15日は特選狂言『喧嘩屋五郎兵衛』。最近あまり上演されなくなったが、かつては大衆演劇の代表的狂言(芝居)の一つだったようだ。 そんな古典物を若さあふれる劇団がどう料理するか興味があった。座長が演じた主人公(渡世人一家、喧嘩屋の親分五郎兵衛)は…
入場料値下げって客に媚び過ぎではないかと心配になってくる。そんなことまでして客寄せしてなんの意味があるのかな。劇団近江飛龍の矜持はどこへいったのかと問いたい。この劇団は系列の(親戚筋の)劇団グループのなかで唯一存在感を発揮してきたのだ。こ…
1月11日(月)木川劇場、昼の部。 今月の「劇団 悠」は連日にわたって(かつてなかったほど)威勢がいい!(おそらく)無意識のうちに大衆演劇の伝統を塗り替えようとしている。これはけっして伝統の否定ではない。長らく一定の枠組のなかに納まりながら変化…
1月8日、浅草界隈は正月気分がほんのちょっぴりだけ残る。しかし木馬館の舞台や(恒例の浅草歌舞伎を公演中の)浅草公会堂はまだまだお正月ムード満点だった。ちなみに銀座にある新橋演舞場(海老蔵、獅童、市川右近による「車引き」、白波五人男」、「七つ…
新年を迎えた劇団 悠は舞台に熱気があふれている。ファンとしてはうれしいかぎりだ。 昨年末大阪「明生座」での2ヶ月間連続公演では集客に苦労していたようだが、この期間は劇団自体にとって次の飛躍に向けた準備の時だったのかもしれない。雌伏の2ヶ月。…
近鉄大阪線榛原駅のすぐそば「やまと座」を初体験。能、歌舞伎、大衆演劇。その形式はどうであれ三番叟はいつ見てもいい。なぜか今回は鈴振りが強く印象に残った。(身体、袖などの衣服ばかりでなく)種々のモノを「振る」行為そのものは(古代以来現在にい…