2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

なおと(20歳)、錦之助(21歳) & さおり(22歳) 合同誕生日公演

2016年3月23日、弁天座(奈良県大和高田市) 今日は芝居も舞踊もなおと、嵐山錦之助 & 和 [ かず] さおりが中心。演目すべてが「さわやか!」の一語に尽きる。 芝居の外題は『吉良常』だが、尾崎士郎(1898ー1964年)原作の大河小説『人生劇場』からひとりの…

芸人たちの幕末・再訪 ー もう一つの若き獅子像

別記事で紹介した「帝国日本一座」には数人の十歳前後のこどもが加わっていた。これら少年、少女たちの姿をうかがわせる資料は成人座員の比べてきわめて少ないようだ。これまで私が素人流に読みあさったかぎり数葉の写真と名前がところどころ出てくる程度で…

幕末動乱のただ中に海外遠征に出かけた軽業芸人たちの心意気

徳川幕府がしいた鎖国政策のため国際政治の場では孤立を貫いていた日本だが、19世紀に入ると200年あまりつづいた幕藩体制の矛盾が吹き出し始める。武士階級など知識人ばかりでなく一般庶民のあいだにもほとんど無意識のうちに変革を求める気運が高まる。19世…

下町かぶき組本部(本社)の座員入れ替え政策に疑問符?

下町かぶき組はその傘下に複数の劇団をかかえている。中でも「劇団悠」が最近メキメキと実力をあげ大衆演劇界に新風を吹きこんでいる。これが客観的事実だ。だからといって「劇団悠」だけが存在意義があるといいたのではない。私としては下町かぶき組全体が…

劇団 「岬 一家」特別公演(明石 三白館)

特別ゲスト駿河染次郎の歌唱を含む 顔見せショーの後、歌舞伎や大衆演劇でおなじみの芝居、『文七元結』がつづく。庶民の悲哀と喜びを綴った典型的な人情劇だが、こんな気は意図的に笑いの風味を盛り込んでいる。だが、私見ではあるが、コメディ性が中途半端…

駿河染次郎さん、明石 三白館で小咄を披露(2016年3月14日)

昨日、13日(日)弁天座の舞台に立っていた駿河染次郎。今日は弁天座の休館日を利用して明石に出張とは。幸運なことに三白館でもお得意の芸を楽しませてもらった。しかも得意の歌(ジュリーの『勝手にしやがれ』)だけでなく、噺家としての芸も堪能できた。…

劇団 悠・版『追われゆく女』はこの芝居のテーマを鮮明にしてくれた! 

『追われゆく女』、3月13日(日)、弁天座(奈良県大和高田市) 人間社会に普遍的といえるほどつきまとう疎外。人間関係から必然的に生じる澱、よどみ。そういうものを一時的にせよ解消するにはだれかを選び出し、その澱をいわば罪として背負わせるしかない…

下町かぶき組 劇団「岬一家」(明石 三白館)

「劇団 悠」以外の下町かぶき組傘下の劇団は久しぶりだ。しかも岬 寛太座長率いる「岬一家」は私は初めての観劇だった。JR明石・山陽電鉄 明石駅を南へ徒歩わずか5分で(ただし駅から直進できず多少ジグザグする必要があるが、三筋目の通りの南側に見える)…

芸能・舞台芸術の世界とプロフェッショナリズム

世界のバレエ界で屈指のベレリーナ、ウリャーナ・ロパートキナ(1973年うまれ)の半生を描く実録映画『ロパートキナ 孤高の白鳥』(2014年)が1月から東京で、3月になってからは大阪で上映中だ。神戸は3月12日から。ネットで見る限りでは全国各地ではなさそ…

弁天座 劇団 悠『瞼の母』は絶品!

3月6日(日)大和高田(奈良県) 先々月(1月)に木川劇場でも見た『瞼の母』。前回同様主人公、番場の忠太郎の生母を演じたのは(劇団の「特別ゲスト」と位置づけられているフリーランスの役者)藤 千之丞。2度目に見て千之丞という役者の存在の大きさを…